貴方の傍にいたいから…

| Gallery・Ⅰ | 越前リョーマ |

「…暑い……」


夏真っ盛りな放課後、マネージャーの仕事の手を休め
私は静かに呟いた……。











、仕事ってそれで終わり?」

突然の事に顔を上げると、そこには……

「リョーマ君!?」

「…オレがここにいちゃいけない?」

「えっ……と、そーゆー意味ではないんだけど…部活は?乾先輩お手製、地獄の特訓メニューが……」

「それなら終わらせたよ。1人でやってる方が、いつまでも終わらなそうだし?(ニヤ」

「そんな事……」




いつも、さり気なく優しいんだよね…

今だって、色々言いながらも仕事をやってくれてるし。

…私ってホントに、幸せ者かも……

まぁ、色々辛い事もあるけどさっ…。




「……あ」

「…?どうかした?」

「ううんっ!何でもない……何でも…」

毎日のように続く、ファンの子の嫌がらせ…

リョーマ君が人気者なのは分かってる。

私なんかより、もっと可愛い子と付き合えばいいのにって思った事も何度もあるし…

……嫌がらせの事を言ったら、きっと心配しちゃうよね。






大丈夫、私はまだ…我慢できる。












ちゃんの様子がおかしい?」

「…はぁ……」

ホントは、に直接聞けばいいんだけど…なんか、出来ないんだよね……。

あの顔は…絶対なんか、オレに隠してる。

……まぁ、大体予想はつくんだけど…




「うーん、確かに元気がない気はするけど……そういえば、さっき女の子に連れられて行ったって英二が言ってたよ?」

「え…先輩達、それ見て止めようとは…」

「してないね。それは、越前の役目でしょ?それに僕達が言った所で……」


最後の方は、不二先輩が何を言ってるのかすら聞き取れなかった。

そんな事よりの方が心配だし、オレが行かなきゃいけないって分かってたから……

早くに会わなきゃいけない…!

ただ、それだけだった。












「…ったー……本気でぶったよね、あれは…」

そっと、水たまりを覗いたら…やっぱり赤くはれていた。




『これ以上、越前君に近寄らないで』


…さっき言われた事が、何度も頭の中で反響する……。

どうして、私はリョーマ君の傍にいちゃいけないの?


……つり合わないから?



それだけで、好きな人の傍にいる事は出来ないの?






…体中の力が抜けて、涙がずっと溢れていたけれど…私は心のない人形のように、ずっとそこに座り込んでいた。





「…?」





…幻聴まで聞こえてくるんだもん…重症……



!」



「え……」




声のする方に顔を向けると、息をきらしたリョーマ君が立っていた。


「な…んで……ここ…」

「不二先輩に聞いた。ったく、なんでオレに一言も言わずに付いて行くんだよ……」



リョーマ君、怒ってる……

近付いてくるリョーマ君が怖くて、私は思わず目を瞑ってしまった。
















「間に合わなくて、ゴメン……」

その言葉が降ってきたと思ったら、私はリョーマ君の腕の中におさまっていた。


「ううん、私が言わなかったのが悪いんだし……」

「でも、が痛い思いをしたのはオレのせいだから……だから、ゴメン」

「リ…ョ……マ…く……」

嬉しかった…。

リョーマ君が、私の事を想ってくれてるって再確認できて…

止まりかけていた涙は再び溢れ出し、リョーマ君が拭ってくれたけど止まる気配はなかった。




、泣きすぎ……」

「だって…リョーマ君、優しすぎ…」「リョーマ」

「…え?」

「リョーマって、呼んでよ。彼女でしょ?」




「………リョーマ…///

「聞こえないんだけど?」

「///~っ…もぅっ!今、リョーマって……あ…」

「ほら、言えるじゃん」

そう言って笑ったリョーマは嬉しそうだった。





私が笑い返したら、今度は真剣な顔になって…



、あのさ……」

「うん?」

「何でも1人で抱え込まないで、ちゃんとオレに言って?……は、オレの大切な彼女なんだから…」




…好きでいていいの?

リョーマの傍にいてもいいの?




……ってゆーか、いきなりそんな事言うなんて不意打ちだよ…

折角、泣きやんでたのに……



リョーマってば優しすぎ…って、また泣き出すのに時間はいらなかった。








これからは、どんな小さな事でも貴方には話すから……

だって、私にとってもリョーマは1人しかいない大切な人なんだって…気付いてる?

これからも、貴方の傍にいさせて下さい…それが、何より幸せだから…。









□■□

このドリームは、いつもお世話になっている菜月ちゃんへv
お相手はリョーマで、疲れたヒロインを癒してあげられるような…というリクをいただいたのですが…。 果たして、癒せているのか不安です; 遅くなってしまったうえに、駄文で申し訳ないですっ;; こんなので宜しければ、受け取っていただけると嬉しいですv 好きな人の傍にいる事を幸せだと感じれることは、凄く素敵ですよね(^^)

05/1/29

川瀬ゆあら様 (閉鎖なさいました)



Maple Syrup 川瀬ゆあら様のご好意でいただいた越前夢です。
私には決して描くことの出来ない、格好良くさり気ない優しさを持ち合わせたリョーマ君は素敵で、今改めて拝読しても惚れ惚れします。勘が鋭いリョーマくんには、隠し事なんて出来ないですよね。好きな人の傍にいることが幸せだと感じられることが何より素敵♪もちろん私もそう思っています// 忙しいなかでこんなにも素敵な夢を描いてくださったことに感謝しかありません。凄く嬉しかったです。癒されました♡今でも私の宝物の一つです。
夢野菜月(2025.2.3/リニューアルにて再up)

Page Top